あらすじ/舞台設定

20XX年。日本は当初の想定を遥かに下振れて少子化が進んでいた。危機感を強く感じた政府は周囲の反対を押し切り、「特別身体検査法」を制定させた。法案の目的は「若者のセックス離れ」を解消すること。受診するのは現役の学生であり、優れた遺伝子を選別するために検査対象者は面接官によって選ばれる。
検査対象者を選ぶ基準は以下の通り。

男子:高い知能と身体能力、優れた容姿と富を持つ者
女子:容姿に優れ健康である者

人口減少を避けられない我が国にとって厳選された優秀な遺伝子を残すことは必要不可欠なミッションである。テクノロジーが進化した現代社会においては、少数精鋭の国づくりが求められるからだ。
しかし、結婚はおろか恋愛をしなくなった現代の若者は、全く性行為をしない。手を打たなければ優れた遺伝子すら後世に残せなくなってしまう。
そこで制定されたのが「特別身体検査法」だ。
この法案の目的は性行為をしなくなった男女に特別な身体検査を実施し、性行為へのイメージを高めてもらうことにある。

平成以降一般的な健康診断ではプライバシーや人権の観点から服を脱がす検査は行われなくなった。だが、必要以上に守りすぎてしまった故に女子は裸を男性に晒すことに耐性がなくなってしまった。
若い子が恋愛や結婚に興味を抱かなくなったこともあり、裸になることへのハードルが上がり過ぎてしまっているのだ。
そこで我が国では特別身体検査を実施することで、まずは性についての意識を変えてもらうことにした。
男子には女子に対する性欲を高めてもらい、女子は性的な視線で見られることに慣れてもらう。

この検査においては人権やプライバシーは考慮しない。対象者は全員裸になってもらう。
同世代の男子はおろか病院ですら裸になることがなくなった現代において、強制的に裸にされることは女子にとって大変辛いものになるだろう。
また、主治医は男性とし、検査の内容は撮影させてもらう。データは厳重に保管するが、検査対象者である男子は閲覧の許可が降りる。AVのような作り物ではなく、羞恥心を感じとれる「生きた裸」を見ることで、男子の精欲は一気に刺激されるだろう。
この特別身体検査法はまだ実施されてから間も無いが、検査を受診した世代ではセックス離れが解消しつつあり、婚姻数も増えつつある。効果が見込める限りは、特別身体検査法は実施され続けるであろう。